方便

http://dw.diamond.ne.jp/yukoku_hodan/20040416/index.html


だいたい、今回は超法規的どころか、完全に合法的に撤退できる──というか、撤退すべきなの。幸か不幸か人質事件の起きる直前にサマーワ自衛隊の野営地が砲撃された。本格的な攻撃じゃなく、被害もなかったとはいえ、これで明らかにサマーワは(実はイラク全土が)戦闘地域になり、「非戦闘地域」というイラク特別措置法の要件を満たさなくなった。だから、法律に従って一時的に撤退する。で、防衛庁としては、これは人質事件とは別問題なんで脅迫に屈したんじゃない、人質事件についてはわれわれは直接関知しない、二つがリンクしていると見るのは勝手だけれど、われわれはたんに法律に基づいて粛々と行動しているだけだ、とか何とか、むりやり強弁しとけばいいわけよ。それも、自衛隊をすぐ帰国させるんじゃなく、クウェートあたりで半月ほど待機し、再び「非戦闘地域」という条件が満たされればただちにサマーワに復帰する、とか何とか、適当に恰好をつけとけばいい。いや、もちろんわれわれはもともと派兵反対だけど、最低いまの政権でもその程度のことは言えるんじゃないの?

方便としてこの考え方は大いにアリだと思う。

関係ないが、自衛隊は撤退すべきでないという意見に続いて「人的な国際貢献もせずに外国から笑われるのはイヤだよ」みたいなことを言う人がいるのだが、そういう人は「アメリカの手下呼ばわりされて笑われるのはイヤだよ」とは思わないのだろうか?