アンテナ登録サイトより

うーんと唸らされた意見があったので紹介します。まずはbakuhatugoro氏の日記より。

http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20040420


(今回のイラクでの拉致被害者の態度って)俺もナメてるよなって思うけどさ。

だけど、どうなんだろう? 彼等に対する反感って言うのが、まっ先に堂々と公言されてるって状況というのは。それはそれで荒んでてイヤだなあと思うんだが。

俺の見てる限り、おっちゃんやおばちゃんの反応っていうのは、「まあ、いろいろあるでしょうけど、とにかく無事で良かったですね」ってものが多い。

被害者の身勝手や不見識を露骨に責め立ててるのって、たいてい40代以下って感じだ。

おっちゃん、おばちゃんだって、連中のおかしさは本当は分かってると思うんだよ。だけど、それをあからさまに公言したり、過剰にそこにこだわるのって、ちょっとはしたないって意識が、ある世代以上の人達には、普通にはたらくんだよね。

それは実際、それ以下の世代の人間の心性や、それを基盤にした現実に対しての鈍さとも受け取れるとは思うけど、まず、何だかんだ細かいことはいろいろあるが、とりあえず「みんな仲間だろ」っていうのが大前提の感覚としてあるんだろうなと思う。とりあえず、「みんな生きていくのは大変なんだし、お互いさま」「子が可愛くない親はいないからね」なんてね。

こう言うと、すぐ「日本人だけのウチワ感覚」ってなナショナリズム批判が聞こえてきそうだし、何を基盤に仲間意識を作るかって、すごく難しい問題だけど。

ただ、今、若い人ほど「みんなに迷惑かけて」って言い方を容易くするけれど、「仲間」っていう前提抜きにそれやってるって気がしてしかたない。要は、「お前なんか関係ないんだから、俺の足を引っ張るな」っていう感覚でしかない。それが俺には、何とも薄ら寒いんだよ。

それって、実はあの被害者達の「身勝手さ」と表裏一体、おんなじものだろうって俺には見えちゃうんだな。

「ウチワ感覚」の問題そのものはあるにせよ、なかなか興味深い考察だと思う。そして、別の日付の日記のコメント欄にも興味深い記述が。

http://d.hatena.ne.jp/bakuhatugoro/20040424#c


# bakuhatugoro 『人質事件に関しては、僕は反世間に凝り固まって、別の世間に埋没しているようにも見える、被害者家族にも何だかなと思うところはあるけど、それをかさにかかって叩いてる方に世間が一色になっちゃうことにも、不健康でイヤなものを感じるね。「みんなに迷惑かけやがって」って言うけど、あんた最初から相手のこと仲間の数に入れてないだろ? それに、彼等の問題はそれはそれとして、あんたらの荒みはまた別に問題だよ、っていうかコインの裏表じゃないかっていう。

「あんた最初から相手のこと仲間の数に入れてないだろ?」というコメントは的確で辛辣だ。

私はそれに加えて、もしも人質が殺されていたら「仲間の数に入れていない」人間でも「仲間」として利用するんだろ(利用の是非についてはともかく)?という疑念を持っていたのでなんともやりきれない気分になっていた。

そして、ここのコメント欄で紹介されていたgaikichi氏の日記も必読だ。

http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20040424


ネットにおける群集の自発的意志を「これこそメジャーマスコミが伝えない真の民の本音」とか過大に評価する向きがたまにあるが、群集の自発的意志なんてもんは昔から行き当たりばったりなもので、善も悪もなく、それこそ「良いも悪いもリモコン次第」の鉄人28号みたいなもんで、その時の気分でどっちにでも飛んでくものだと思っておいた方が良い。

ここでは一部分しか引用していないけど、ここで紹介した3つのリンク先は全部読んでほしい。